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DES
Masterコースの最終プロジェクトとして、9月末に修士論文/Dissertationを提出した。構想から完成まで10ヶ月、Supervisorの下で、形式に則ったアカデミックリサーチを行ったのは何にも代え難い経験になった。インタビューの文字起こしも入れて100ページ超の論文。何という達成感!!

テーマは、一般マラソンランナーのリピート参加に関するモチベーション研究。「なぜ一般ランナーはマラソン大会に繰り返し参加するのか?」という大きな質問に答えるリサーチとなる。Interpretative Phenomenological Analysis (IPA: 解釈学的現象学的分析)のアプローチで、一般マラソンランナーへのインタビューから鍵となるモチベーションを分析して、その結果を先行研究と比較して議論したのがこの論文だ。イベントマネジメントの観点からすれば、イベントにおいて参加者のリピート要因を研究するというのは理にかなっているが、今回においてはスポーツ心理学の範疇でもある。当初は単体のイベントにおけるリピート要因を研究したかったけれど、イベントへのアクセスができずに破談になった経緯がある。理想と現実の狭間でもがくのは苦しい。

Queenwood library Japan branch is now open temporarily:/ 24hrs operation:/ :/ #Dissertation #MasterLife

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スケジュールは、まず12月頭に第一弾の構想を大学に提出。この大きな方向性を基に、指導教官Supervisorとなる学部の教授/レクチャラー陣が振り分けられた。その後、1月からSupervisorとTutorial/面談を重ねて、2月末にプロジェクトの提案書とEthics listを大学に提出。クオリティや実現可能性、倫理面に問題がなければ許可が下りて、実際にその計画が進められることとなる。後はSupervisorとの調整次第で、自分は4月下旬までにLiterature reviewを終え, 5月はコース課題を優先、6月中にMethodology, 7月中にインタビューの質問項目を完成させて、7月末〜8月中旬でインタビュー実施、9月中旬までに論文を書き上げて、校正に出して、9月21日に晴れて完成!という段取りだった。Supervisorとは適宜Face-to-faceやSkypeでコミュニケーション。当初予定よりかなり遅れていたので、完成した際の安堵感と言ったらない。


修士論文のマーキングが現在進行形で行われていて、11月中頃に結果が分かるらしい。「もっと時間があれば..」という心残りはあるけれど、本音としては、時間の制約と能力的な限界を踏まえて、達成感と充実感があって満足しているので、もうどう転んでもいいかなと思う。ハウスメイトが「終わったけど、もっと良いものができかもな〜。ちょっとPhDに興味が出てきた」とか言っていたのが信じられない。ちなみにPhDの友人に「Dissertation完成したよ!15,000単語くらいになった」と報告したら、「Well done! 僕のChapter 1とだいたい同じだね:)」と労ってもらった。PhDには絶対に進まない。

下記は、論文からAbstractを抜粋。研究の大枠はこんな感じということで。フルバージョンは手持ちであるので、要望があればデータ差し上げます:)

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FCB
セメスター2(後期)の科目「International Event Marketing, Sponsorship and Fundraising」は選択科目の一つ。コースは通年で4つの必須科目と2つの選択科目から構成されている。

この科目のポイントは、マーケティング、スポンサーシップ、ファンドレイジングの理論と応用をイベントの文脈で展開することだ。マーケティング理論はプロダクトからサービスまで展開されているけれど、スポンサーシップはイベントで顕著だ。イベントからすれば重要な収入源、スポンサーからすればユニークな投資先として発展してきたが、同時にROIやEthicsの要求は高まっている。例えば、イベントはアンブッシュマーケティングにどう対処するべきなのか。あるいは、ファストフード企業をオフィシャルスポンサーに迎えるのは、倫理的にはどう考えるべきか。

ファンドレイジングは公共/非営利セクターと関係が深い。特にアートやスポーツイベントにおいて、ファンディングと引き換えにそれらの政策を実行する役目を果たすことは珍しくない。もちろんイベント自体が非営利や公共性の高いものであれば、一般からファンドレイジングを行うこともあるだろう。社会問題を提起するソーシャルマーケティングや、具体的な問題にアプローチしていくコーズマーケティングなどのテクニックがある。

イベントとマーケティングの関係で一つ面白いのは、イベントはマーケティングのツールにもなり得ることだ。「Marketing of Event」なのか「Marketing through Event」なのかを混同してはいけない。もちろんこれはスポンサーシップにもファンドレイジングにも当てはまる。特にアカデミックでは、どちらの議論をしているのか意識しないと、簡単に話の道筋を失うことになる。それは、オリンピックのマーケティングか、それともオリンピックを利用したマーケティングだろうか?

[photo] F.C. Barcelonaのスタジアム〈Camp Nou〉にて、La Liga昨シーズン9月のBilbao戦。NikeとEstella Dammはどちらもビッグスポンサーだ。

シリーズ、MSc International Event Managementの科目たち:
コース科目1 – Globalisation, Society and Culture
コース科目2 – Event Project Management
コース科目3 – Event Policy and Practice
コース科目4 – Management Strategy in a Global Business Environment

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EXH
大学のギャラリーでアート専攻の学生のエキシビジョン〈The Masters Show 2015〉が行われていて、友人(の友人)が作品を出していたので見に行ってみた。

University of Brightonのアート専攻は評価が高い。The GuardianのUniversity League Table 2016では、アート系コースを開いているイギリスの72校のうち8位にランク付けされている。Brightonが総合で67位/119校であることと比べると更に際立つと思う。ちなみにHospitality, Event Management & Tourismは22位/71校だ。全然及ばない。

アート系コースはBrightonの中心街に位置するGrand Paradeキャンパスに集積していて、そのGround Floorはアートギャラリースペースになっている。残念ながらこのエキシビジョンは終わってしまったけれど、別の企画展が続いていくようなので (UoB Gallery Exhibition)、Brighton観光の際には足を運んでみるのもいいと思う。

[photo] “Do Not Fall Asleep” 1-3, all by Tiara Budiendra

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セメスター2(後期)の科目の一つは「Management Strategy in a Global Business Environment」。イベント専攻にとっては必須科目で、ホスピタリティとツーリズムマネジメントとの共同レクチャーだった。メイントピックはストラテジー。日本の大学でいう戦略論といったところ。

ストラテジーは多くのフレームワークが提唱されている。コーポレートレベルではAnsoff matrix, Stakeholder analysis, PESTEL, Value chain、ビジネスレベルではBoston matrix, Porter’s 5 Forces, Generic strategy, Product lifecycleなど。これらの分析ツールは目的に合わせて使われるもので、その応用について論じるのがこの科目の課題となった。コース (MSc International Event Management)の中で一番ビジネスらしい科目で、Harvard Business Reviewをこんなに読んだ科目は他にない。

課題は2つで、グループプレゼン (20分)が30%、個人のエッセイ (3,500words)が70%の配点。グループプレゼンの課題は「多国籍企業を一つ選び、そのコアコンピタンスに影響を与える3つのビジネス環境の要素の分析」というもの。友人たちとイベントとホスピタリティの混合チームで取り組むことにした。選んだ企業はNikeで、明瞭なIRレポートを発行していたことと、外部要素が多そうだったことが決め手になった。個人でリサーチして、グループでディスカッションして、3つの要素をSocial: スポーツとファッショントレンドの変化、Technological: 製品の技術革新とビッグデータの出現、Environmental: グリーン&エシカルな企業活動へのプレッシャー、に設定。スライド(以下に抜粋)を作り込んでリハーサルをしてプレゼンした。

途中グループの一人がほぼ仕事放棄をしたりと苦労があってすごく疲れたのだけど、課題に対するアプローチとしては結構上手く構成できた自負があった。その結果として90%という訳の分からないハイマークを叩き出したので、一応報われた感はある。残りの課題であるエッセイへのプレッシャーを軽減できたのも大きい。聞くところによると採点が講師によってかなりバラついたらしい。自分達を含む数グループを担当した講師は90-70%を与えていて、もう一方は全部50%台だったそう。幾つかのグループが大学に抗議して、ちょっとした騒ぎになった。結末は知らない。

#KingOfStrategy #MEPorter #ManagementStrategy #Bored #MasterLife

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この科目を通じて嫌というほどPorterを読んだ。エッセイについては別のエントリで書こうと思う。

シリーズ、MSc International Event Managementの科目たち:
コース科目1 – Globalisation, Society and Culture
コース科目2 – Event Project Management
コース科目3 – Event Policy and Practice

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Aegon
6月末にEastbourneで女子テニスの国際大会「Aegon International」が開催されたので行ってみたら、予想以上に面白くて観るテニスに完全にはまってしまった。

WTA (Women’s Tennis Association)によるEastbourneでの国際トーナメントは1974年から開催されていて、2009年からAegonがLTA (Lawn Tennis Association)のメインスポンサーになったことからAegon Internationalという名称になっている。Wimbledonの直前に行われる芝の大会で、そのウォームアップも兼ねた選手の出場もあることから「Pre-Wimbledon」とも呼ばれている。そんな歴史あるイベントに「家から近い(徒歩5分)」のと「無料(初日のみ)」だからという何とも消極的な理由で足を運んでみたら、かなり面白いじゃないか!という発見があった。

まずイベント視点で見れば、フェスティバル感のある雰囲気が素晴らしかった。よく手入れされた緑の芝が美しくて、グラウンドレベルのコートはそこに直接設営される。隣にはフード&ドリンクの売店があり、店先にはテーブル&チェアがテラス席として並んでいる。シャンパンが似合うのもテニスならではだ。テニスは試合時間が長く、さらに同じスタジアム/グラウンドで複数の試合が行われる。必然的に滞在時間が長くなるので、1日のDay-outとして考えるとチケット価格に対して得られる体験が多く、コスパが高いように感じた。これはWimbledonでも同じことが言える。

次にスポーツ的な観点では、テニスはルールと判定がとても明瞭だ。サーブを交互に打ちながら、決められたエリアでボールをラリーして、相手がミスをすれば得点が入る。基本的には15-30-40とポイントを重ねていってその次で1ゲームを取り、6ゲーム先取で1セットを取る。女子は2セット、男子は3セット先取で試合の勝ちが決まる。同ポイント/ゲーム/セットの場合は延長になるという例外があるだけだ。試合には主審の他に線審が5人居てボールのIn/Outのジャッジを行う。Wimbledonになれば映像でも判定する。フットボールでは考えられない。

加えて、テニスのプレー経験が(少しとはいえ)あったのは、競技レベルを理解するのに役立った。テニスは高校の体育で触れただけだったけれど、ボールを打つのにどれだけ正確性が求められるか、前後左右のフットワークがどれだけハードか、ラケットを振り続けるのがどれだけ利き手に響くか。自分の体験をもとに、凄まじいほどプロはレベルが高いとイメージができた。学校体育の影響力はなかなか侮れない。

最後にファッション的に見れば、選手の出で立ちが綺麗なこと。予想するに身長がアドバンテージになるスポーツなのでスタイルが良い選手が多いし、ユニフォームのデザインも一層それを際立たせている。決してSexist的な意見ではなくて、キレイ/カッコイイという感覚に響くものはファッションとしての価値をもたらすので、普及という観点からするととても大事なことだ。ランニングブームをファッショナブルなウェアが支えているのに通じるものがある (日経Trendy)。Naomi Broadyは弟のLiamと共に兄弟で活躍するBritishの若手プレーヤーで(二人とも今年のWimbledonにWild Cardで出場している)彼女のInstagramはとてもBritishの女の子っぽくて良い。

I love this view so much #AegonInternational #Tennis #Eastbourne

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全体の眺めはこんな様子。Centre courtとCourt 1はスタジアムで固定席、Court 2-5はグラウンドレベルで観客がパイプ椅子で周りを囲む。この上位コートはスタジアム、下位コートはグラウンドで行う形式はWimbledonも同じ。


グラウンドレベルのチケットはとにかくコートの近さが凄い。ボールを弾く音や審判の声はもちろん、選手が審判やボールボーイ/ガールに話す言葉まで聞き取れる。真剣勝負の選手達はエキサイトしているので、割と文字に起こせないことも口にするのには驚いた。

Day one for qualifying tournament #AegonInternational #Tennis #Eastbourne

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ボールボーイ&ガールの動きも好き。彼らはこんなにも必要以上にきびきび動く必要があるのだろうかと疑問ながらも、その様子が微笑ましくも思ってしまう。まるで機械のような動作とシステマチックな連携で試合をサポートしている彼らには賞賛しかない。

Wherever host countries are, people are patriotic. Huge advantage for GBR! #AegonInternational #Tennis #Eastbourne

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Britishのプレーヤーに歓声が集まったのも印象的。この日はピンクユニフォームのLaura Robsonへの注目度が特に高かった。彼女は元British No.1のランキングで、17ヶ月の手首の怪我からの復帰戦がこのAegon Internationalだった。やはり誰でも母国のプレーヤーへのシンパシーは強い。

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