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笹川スポーツ財団セミナー「スポーツとまちづくり~東日本大震災からの復興とスポーツ振興」

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先日、笹川スポーツ財団が主催するセミナーが都内で開かれたので参加してきました。テーマは「スポーツとまちづくり~東日本大震災からの復興とスポーツ振興」。震災から2年が過ぎた今、東北の現地ではスポーツがどういった役割を担っているのか、そして今後どのような役割を果たしていくのかが議題になりました。

笹川スポーツ財団はスポーツ振興のためのリサーチ・研究や政策提言を行う組織。各スポーツの競技人口調査などはメディアでもよく報道されているので、耳にしたことのある方もいるかもしれませんね。個人的には「震災」「復興」「まちづくり」というキーワードが気になってこのセミナーには迷わず参加しました。というのも、僕自身東京で震災とその後の混乱を身をもって経験して、その後は仕事の関係で被災地の復興を見届けてきたからです。その中で、東北3県に足を運んだものの見えなかったことや、その現地でのスポーツの関わり方について話を聞ければと思ったのでした。

セミナー最初のスピーカーは宮城県東松島市の阿部秀保市長。東松島は宮城県の太平洋側沿岸部にあり、震災では大きな津波被害を被った地域です。市長の話で印象に残ったのは「地震と津波によって学校施設が被災した。その立て直しができてからは避難所になった。」との学校への言及。これを解釈すると、要は全国津々浦々、一定の整備が行き届いた施設は公立小中学校意外にあり得ないということかと思います。更に言えば、そこに付属しているグラウンドは、スポーツ施設として高いポテンシャルを持っていることを改めて考えさせられました。

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次は、パネルディスカッションのセッション。パネラーには、岩手県大槌町教育委員会生涯学習課の黒沢氏、宮城県塩竈市で復興支援活動を行うフリースタイルスキープレーヤーの畑中みゆき氏、宮城県七ヶ浜町で総合型地域総合スポーツクラブ「NPO法人アクアゆめクラブ」を主宰する木間奈津子氏が登壇しました。

現地でしか分からない話を沢山頂いた中でも、特に興味深かったのは「被災者の間で軋轢が生まれてきている」ということ。震災直後は全ての人が被災者となったものの、その後震災の度合いが浅かった人と深かった人との間で心理的にもコミュニケーション上でも溝ができたといいます。現在では、生活の復興にスムーズに物事が運ぶ人とそうでない人の間で、同じように壁が生まれているとのことでした。

その後も話を聞いていると、現状でのスポーツの役割というのは最終的に3点に集約されるのかと感じました。1つは「ヘルスケア」。健康維持・増進や運動不足の解消がこれに当たります。この場合スポーツは直接的な解決策となります。2つ目は「こころのケア」。スポーツによってリフレッシュすることや、目標を設定することでこれからの未来に希望を持つことです。最後は「コミュニティのつながり」。スポーツをハブとして人と人のつながりを作る・再生することで「リジェネレーション」とも呼ばれます。これら2つに対してはスポーツは媒介として機能することで価値が生まれます。

・・と、色々と考えるきっかけとなった良いセミナーでした。他の参加者の皆さんは、地方自治体のスポーツ振興課の方が多かったですね。思っていたより少し硬派なセミナーでした。ちなみにこの笹川スポーツ財団では、スポーツ政策に関する専門図書館を一般公開しています。一度使ってみたい。


笹川スポーツ財団 ライブラリ:
東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル イーストウィング11階
http://www.ssf.or.jp/
最寄り駅は六本木一丁目/溜池山王で、開館時間は平日10時~17時。利用料は無料、ただし館内の閲覧のみで貸し出しは非対応のようです。

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