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FCシャルケ04と地域アイデンティティ

SCH02
鹿島アントラーズファンとして内田&大迫を見たいという理由で足を運ぶことにしたシャルケxケルンの試合だったのだけれど、一緒に向かった友人が「母国とドイツは国レベルでフットボールの交流があるからいい機会なんだ」などと真面目なことを言うので(彼はモザンビーク出身でスポーツビジネス&マネジメントを学部で専攻している)、自分も少しはまともなことを勉強しておこうかと思いシャルケに関連する書籍を読んでみることにした。大学の図書館で運良く発見したのが以下;

Gehrmann, S. (1994). Football and Identity in the Ruhr: The Case of Schalke 04. In Giulianotti, R., Williams, J. Game Without Frontiers: Football, Identity and Modernity. Aldershot: Arena, pp. 185-205.

「ルール地方におけるフットボールとアイデンティティ:シャルケ04を例に」と題されたこの一章は、ルール工業地帯とシャルケ04というクラブの歴史的背景と、地域アイデンティティの側面から見たその関係性に着目したもので、基本的な予備知識になった。

ルール工業地帯は、重工業産業の集積のためにドイツ東部からの移民により1840年代から新たに出来上がった地域であり、特にGelsenkirchenは政治的には近隣都市の管轄下となり自治権が弱く、経済的にはシティセンター(中心街)が存在しないような街だった。この「核となるものがない街」という背景から、1904年にGelsenkirchen郊外のSchalkeから生まれたフットボールクラブは、高い競技力と相まって、地域のアイデンティティとなるに至ったのである。

実際にGelsenkirchenを訪れてみると、中央駅前にはショッピングストリートが広がるものの、トラムで少し移動すれば街はかなり静かになり、15分で着くスタジアムの周りには何もない。街の産業は重工業から時代を経て機械工業、環境技術、エネルギー産業などにシフトしているというものの、6万人を超えるスタジアムが満員になるような地域とは到底思えなかった。それ故にシャルケの存在には驚くばかりだった…

[Photo] FCシャルケ04で恒例となっている、試合前に選手たちが肩を組んでサポーターに挨拶する場面。内田選手は向かって右端。

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