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老人と海


沖縄・古宇利島の朝、海まで歩いて出ると一台の古いバンが浜辺までやってきた。中から出てきたのは齢60を超えたおじいさんで、タコ取りにきたのだという。聞けば、生まれも育ちもこの古宇利島。もう10代の頃からそれを生業としていて、今はもう組合を抜けて、自分でやっているという。「身体も悪いからね」と言っていた。だいたい5匹くらいは一日に取って1万円ほどに替える。市場に出すわけではなくて、友人らが買ってくれるそうだ。「わしの娘がな、島の入り口のとこで店やってるから、寄っていってくれよ」。まさにこの島に生きる人だ。

確かに身体は不自由そうだった。関節の曲がり方やそれを動かす様子は、見ていてはらはらする。しかもこれから海に入るわけだ。心配になる。けれど、おじいさんはこれをもう何年も毎日毎日やっているのだと思うと、何か変に気にかけるのもむしろ良くないと思い、ただただじっと見ていた。器用にウェットスーツを来て、簡単な槍と網が一緒になった道具を持って、ゴーグルとフィンを付けて海に入っていった。「5時間くらい海の中だからな、こうやって水を飲むんだよ」と、ペットボトルに入った水も持って。

「気をつけてね」と声を掛けると、おじいさんは簡単な返事と共に、海に入っていった。これから5時間、大丈夫だろうかと内心気にかけながら、僕は海を後にして宿に戻る。古宇利島の海は透き通る程綺麗で、まだまだ開発されていないから景観も綺麗だ。それに加えて、おじいさんとの話もあって、ますます古宇利が好きになった。

また今度も、古宇利に来ようと思う。

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