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2015年11月 Monthly archive

33CLUB
少し前に興味深い記事があったのでメモをしておくと、10月29日付のCity AMのトップニュースは「企業における女性登用」。ボードルームにおける男女間のバランスを調査/提言する〈Women on Boards Davis Review〉の4年間のレビューが発表された:Government backed Davis Review targets women holding one third of board seats by 2020.

記事の要点としては:

  • 2011年のDavis Reportの提言ーFTSE100企業のボードルームにおいて、2015年までに女性が25%を占めることーを達成(26.1%)。
  • そして今回、新たな目標値ーFTSE350企業のボードルームにおいて、2020年までに1/3を女性が占めることーを提言。
  • 今後の課題は、ボードルームに入る女性の「パイプライン」を強くすること。現在FTSE100で31.3%というNon-executive directorの女性比率は、彼女らの任期が一旦終わることで、向こう18ヶ月で17-26%に低下するとする調査もある。

要は、まず初めの取り組みとして能力のある女性を引き上げれば一時は数値が上がるものの、彼女らに続く人材を探し育てることをしないと継続的には向上しないというのが現在の問題なのだ。

FTは数値をビジュアルで出していて理解しやすい。前回比較としては、FTSE100のボードルーム女性比率全体は2011年の12.5%から2015年は26.1%に上昇した。細かく見ると、Non-executive directorは15.6%から31.4%へ、Executive directorは5.5%から9.5%に増加している。各国を見渡すと、現在、ノルウェイ(35.1%)だけが1/3を超えていて、スウェーデン(32.6%)とフランス(32.5%)もこのラインに近い:CBI welcomes Davies report raising women on boards target to 33%

日本については、Bloombergが取締役に女性を置く企業の数を調査していて、TOPIX1858社のうち196社で10.5%とレポートしている。成長戦略で女性の指導的地位に占める割合を20年までに30%とする目標を掲げて、16年度からは大企業を中心に施策を行動計画に明記することを求める方針らしい。さてどうなるか。:日本企業の取締役会、9割が女性ゼロ-先進国最低、価値向上足枷 (1)

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昨年のアカデミックイヤーに参加したBirkbeck Sport Business Centreのセミナーは、2015-16年も定期的に開かれている。10月19日の回は「Football & Television: A Marriage of Convenience?」と題し、イングランドのフットボール史がテレビ放送とどのような関係で発展してきたか、広告会社〈Saatchi & Saatchi〉の出身で、FAのコンサルティングをしてきたAlex Fynnをゲストに開かれた。

>> Birkbeck Sport Business Centre公開セミナー:フットボールと消費文化
>> Birkbeckセミナー: イングランド下部リーグが示す、フットボールクラブの「本当の価値」

歴史的な背景としては、イギリスでテレビ放送が本格的に普及したのは第二次世界大戦後で、1953年のFA Cup決勝が、イギリスで初めて全国的にテレビ放送されたスポーツプログラムとされている。この決勝はStanley Matthewsという名選手の活躍によって”Matthews’ Final”とも呼ばれ、歴史上の一部になっている。その後1960-70年代に、BBCの週末のリーグ戦&カップ戦のハイライト番組「Match of the Day」が人気を博し、80年代にITVも同様のプログラムを提供し始めた。



これに続く1990年代に、プレミアリーグ創設による大転換期を迎える。1990年W杯でのイングランド代表の成功(4位)を背景に、フットボールのテレビコンテンツとしての価値に目を付けたメディア、そして主要クラブの商業的な関心が重なって、22クラブがFootball Leagueから離れる形で、FA Premier Leagueが発足した。この時代のBig 5と呼ばれるクラブが、Man United, Liverpool, Everton, Tottenham, Arsenalであったことも興味深い。当初ITVがこの設立に関与していたが、最終的にはBSkyBが放映権を買い取り、衛星放送による独占放送が始まった。当時イギリスではテレビ番組のサブスクリプションは普及していなかったが、リーグが決断を下したのは、この分野で先行していたアメリカの結果が後押しになったという。曰く、サブスクリプションが成功するコンテンツは「スポーツ、映画、ポルノ」の3つなのだ。

1995-96シーズンには、リーグは20クラブへと削減される。これは、「Every game is meaningful」という原則に基づくとAlexは言う。イングランド全体のオーディエンスに対してテレビ放映を行うという点において、ビッグクラブ同士の対戦、地域のダービーマッチ、優勝以外のインセンティブなど、「観られる」コンテンツを追求する必要があったのだ。彼は、「Television event is not sport event」とも話していたが、ローカルの試合を単純に全国放送にするのでなく、より広いオーディエンスが興味を持つリーグ全体の仕組み造りが必要だったのだ。現在で言えば、1-4位はCL、5-6位はEL、7位もFA Cupとの兼ね合い次第でヨーロッパの舞台で戦う権利を得る。一方、下位3チームはChampionshipへ自動降格となる。半数のチームが、リーグの最後まで関心を持つ仕組みになっている。

これらのテレビ放映とフットボールの発展は、商業的な観点からすれば非常に正しい。プレミアリーグの放映権料が契約回ごとに上昇しているのは周知の通りだ。ただし、それが社会的な正当性を伴うかは別途判断される必要がある。Alexは、現在のプレミアリーグを「International league played in England」と表現し、外国人オーナーのクラブで、外国籍選手がプレーするリーグだと説明を加えた。また、リーグに加えて国内外のカップ、そしてもしかするとプレシーズンや代表戦も暗示しているかもしれないが、彼はFAの哲学をこう表現した ー「Play more games, earn more money」。

彼が参考文献として彼が勧めていたのが、「From the Back Page to the Front Room: Football’s Journey through the English Media」 (Domenghetti, 2014)。これは年末に日本に帰るフライトの内で読み通そうと思う。

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ArtMag
Frieze Londonで配布されていた〈ArtMag〉の特集「忙しない大都市を抜け出して、どこに行けばリラックスしながらアート&カルチャーを体験できるか?」は、次の旅行へのヒントを与えてくれた。FriezeのメインスポンサーであるDeutsche Bankが発行するこの雑誌は、オンラインでも公開されている: QUIET, PLEASE! Where do you find relaxation during the art summer?

St. Peterburgのエルミタージュ美術館のアドバイザーであるNicolas Iljineのイチオシは、フランス北西部のBrittany(=ブルターニュ地方)だ。海岸線が広がるこの地域は、伝統的な文化と美しい景色が残っている。漁師たちは毎日午後になるとその日の収穫を引き上げてきて、ローカルマーケットは、この地の名産であるクレープとサイダーと共に賑わう。Quimperの大聖堂ではクラシックミュージックのコンサートが催され、近くのFine Arts Museumでは良質なエキシビジョンが開かれるという。

I like travelling to Brittany where we have a house in the village of Pont l’Abbé near Quimper. Whether it is the nearby ocean tides, the fishermen bringing their catch in around 4 PM every day, going to the local market or enjoying crèpes with cider, the region has an astonishing vitality, beautiful landscapes and fields, no pollution and strong cultural traditions. The 13th. Century cathedral in Quimper radiates serenity & calm and often hosts evening concerts of classical music. The nearby Fine Arts Museum has often surprisingly good exhibitions.

歴史的な背景としては、Brittanyはケルト文化圏に入る。Scotland, Wales, Ireland, The Isle of Man, Cornwall、そしてBrittanyが6つのCeltic Nationsらしい。16世紀まで独立国だった地域で、ケルト語系のBreton language(ブルトン語)が今も話されている。この地名の由来も、Great Britainに対する「Pettit Britain」だ。TelegraphのTravel Guideはいつもいい手掛かりをくれるね。ああ、調べれれば調べるほど面白そう。絶対にどこかの夏で行くわ。

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TIME
今年を振り返って来年に考えを巡らすには少し早いかもしれないけれど、2016年のスポーツシーンの注目を一つ挙げるとすれば、それはObstacle Race(障害物レース)だ。フィットネス、エクササイズの延長線上で、このトレンドはどこまで拡大するだろうか。Sean Gregory氏によるTIME誌の記事: “The Rise of the Suburban Spartacus”がそれを思い出させてくれた。

Obstacle Raceのブームはアメリカ発だ。レースの参加者は、5-20kmの距離の中で、ロープを使ったクライムや、炎の上や泥の中を駆け抜けたりなど、障害をクリアしていくことが求められる。個人やグループでの参加など、形式は様々だ。Tough MudderとSpartan Raceは代表的なレースイベントで、国外にもそれぞれのブランドで展開している。Seanは、Spartan Raceが2015年に20ヶ国で120イベント(2011年比で39イベント増加)を開催し、累計で100万人の参加者数となることを指摘して、過去5年をObstacle Raceマーケットの初期段階と見ている。加えて、これらの他にも同じフォーマットで次々とイベントが開かれている。これらは、フィットネスやエクササイズの延長と見ることができるが、健康面でのベネフィット以上に、達成感や繋がりといった精神的なベネフィットを訴求しているのがユニークだ。Seanは”体験を通した仲間意識”が鍵であると、Spartan Race CEOのJoe De Senaの次の言葉を引き合いにしている ー「フリスビーとフットボールには違いがある。我々は、フットボールのようになりたい。」

「American Ninja Warriorを知ってるか?」ー 大学のレクチャーに登壇したMark Cooper氏が学生達にそう尋ねたのは、いかに障害物レースが人気を博しているか紹介するためだった。彼はParkourというフリースタイルランニングの国際的な普及と競技化に努めていて、それは広義では障害物レースである。耳を疑ったのは「これは日本のテレビ番組”SASUKE”に由来していて..」と聞いた時で、なぜならSASUKEは既に廃れた番組だと思っていたからだ。10年前には確かに人気があったように思うが。しかし現実は、NBCが2009年からオンエアするアメリカでは、今年のシーズン最後の放送で600万人の視聴者を惹きつける番組にまで成長 (TIME: 同上)、イギリスでは2015年3月に”Ninja Warrior UK”として上陸後、ITVは来年もシリーズ2を放送することを決定している。



日本に目を向ければ、SASUKEがもう一度大ブームとなるかは別として、Obstacle Raceが拡大していくのは確率としては比較的高いと考えている。Color RunやBubble Runなど、ファンランニングは既にスポーツやエクササイズの域を越えてファッションとして浸透し始めていている。ソーシャルメディア上でシェアしたくなるようなコンテンツであることも大きい。一方で、達成感や仲間意識などをシリアスなタッチで訴求するのは日本人には響かないので、これらがどうローカライズされるかがポイントではある。2013年にReebokがUrbanathlonを東京で開催したけれど、彼らはもしかすると流行を先取りしすぎていたのかもしれない。

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Moniker
10月中旬、Frieze Art Fairと共にLondonのアートシーンを盛り上げるのが〈Moniker〉と〈The Other Art Fair〉。ShoreditchのThe Old Truman Breweryで開かれるこの2つのアートフェアは、Frieze Londonのオルタナティブとして、より身近で手頃なコンテンポラリーアートを提案している。

Frieze Londonは、比較的抽象的な作品が多く、既にギャラリーで取り扱われているアーティストの展示が中心。それに比べると〈Moniker〉はストリート色が強く、〈The Other Art Fair〉はIndependentのアーティストが多い。彼ら自身が展示スペースにずっと居たりする。どちらも作品の価格帯はFriezeより低く、Friezeの作品が£10,000レンジだとしたら、一桁下がる辺り。まあ、それでも十分高いのだけど。

#Moniker today! #OldTrumanBrewery #London #Shoreditch #ContemporaryArt

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MonikerとThe Other Art Fairは会場をシェアしている。会場中は隣合っていて区切りがないので、どちらかのチケットで入れば両方見ることができる。

Mini panel discussion at #Moniker thamed the value of street arts. #Shoreditch #London

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正直、Monikerで好みの作品は無かったけれど、面白買ったのはパネルディスカッション。「ストリートアートの価値とは何か」というテーマで、ストリートアートが如何に地域コミュニティに貢献でき得るか議論された。London Borough of Waltham Forest(Hackneyの北東隣)のCulture & Heritageのヘッドが、「ストリートアートは、繋がり、安全、文化遺産をコミュニティにもたらすので、地域の再生RegenerationとマーケティングDestination marketingに活用できる」と認識していているように、戦略的にプロジェクトが展開されていたことが印象的だった。

Finishing a brilliant #cocktail Nice catering. #Moniker #TintAndShade #Shoreditch #London

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MonikerとThe Other Art Fairの中間に置かれたドリンクのケータリング。カクテル(£7〜)をテイクアウトして展示を見ることができる。

One of the best at #TheOtherAirFair here, 'Entry' by a photographer #TommyClarke @tommy.clarke

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The Other Art Fairで好みの作品を幾つか発見。イギリス人写真家のTommy Clarkeは、Aerial Photographer航空写真家と名乗っていて、小型ジェットやヘリコプターに乗り込んでオブジェクトの上空から撮影する。この視点にこだわった彼の作品はどれも面白い。(参考: Mail Onloine – Jump right in! Stunning pictures of the ocean from above which makes you desperate for a holiday

Another best.. works by #KerryEggleton Love this! #TheOtherAirFair #London #Shoreditch

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こちらもThe Other Art Fairより。Kerry Eggletonの作品は、人間のようにドレスアップした動物たちがモチーフ。これは..可愛い。

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